ただ…傍にいたいだけ…
「は?冗談やめろよ!
俺、ちゃんと約束守ってんじゃん!!」

「うん」

「好きなんだもん!傍にいたいもん!」

「うん」

「やめろよ……」

「ごめんね」

「やだよ」

「ごめん」

「嫌だ!!」

「琉輝くん!!」

「嫌!!やだ!嫌だ!嫌なんだよ!!!」



「琉輝くんは、良一じゃないから」


「は?」


「やっぱり、琉輝くんに良一の代わりは無理!!」


「何、言って、ん…の…?」


「わか子の言う通りなの。
私、琉輝くんのこと、良一の身代わりにしてたの」


「は?わか子さんには“違う”って、はっきり言ってたじゃん!!」


「さっきはね。
だってー、軽蔑されたくないじゃん?」


「は?雛葉、何言ってんの?
雛葉らしくねぇじゃん!
こんなの、雛葉じゃねぇよ!!」


わかっていた。
わざとに、こんな言い方をしていること。

きっと、自分を悪者にして嫌われようとしているんだろう。


「やっぱ、琉輝くん子どもだし!
私を幸せに出きるのは、良一みたいな大人の男だしー」



「━━━━━━━ふざけんなよ!!!!!?」

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