ただ…傍にいたいだけ…
「なんで……!!!?
なんで、スタートラインにも立たしてくんないの!!?」

「琉輝くん…」

「だって、そうだろ!?
出逢った時には、もう……雛葉は旦那のモノだったんだから!
かといって、正々堂々と戦うことも出来なかった。
俺は“最初から”石崎 良一には勝てなかったってことだろ?
………こいつ、ズルいよ!!!」

俺は、墓を指差して言った。
一度吐き出した言葉は、止まらない。




「………………
…………俺、雛葉と同じ年に生まれたかった……」


「琉輝くん…」



「そしたら、こいつと正々堂々と戦えたよな?
なんで!!?
なんで!!雛葉は、そんな早く生まれたの!!?
なんで、こいつなの!!?
なんで!!!なんで!!!
俺を選んでくんないの!!?
……………なんで…俺は、こんなに、雛葉が好きなの?」

「琉輝くん…」


「教えてよ……雛葉…」

「え?」

「どうしたら、雛葉が手に入る?」

「琉輝くん」

「俺、何でもするよ?
雛葉が、手に入るなら!」

「琉輝くん!」

「傍にいてよ?
今度は、良い子でいるから」


「琉輝くん!!聞いて!!」

雛葉が俺の肩を持ち、真剣に見つめていた。
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