夕焼けの恋
隣の弥生を意識してしまってそっと様子を窺う。

それに気づいた弥生が俺を不思議そうに見つめた。

「っ…ごめん俺ちょっとトイレ行ってきます」

俺は慌てているのを誤魔化すようにそそくさと逃げた。

途中で振り返って見た弥生の後ろ姿はなんだか儚く美しかった。

「あぁ、俺、弥生さんが好きなんだ」

1人で呟いたその言葉は澄んだ空に溶けた。
< 11 / 57 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop