夕焼けの恋
正確には、会話というよりその人が一方的に話しているだけ。

弥生は嫌がっているようにも見えた。

「弥生さん…、」

弥生がこっちを向く。

「あ、じゃあそろそろ俺行くわ。またねー弥生。君も」

彼はそう言って歩いて行った。

最後の彼は優しい目をしていた、気がした。

弥生に「またね」と言っていたことが気になったがとりあえず気にしなかった。

「…帰ろっか」

彼とは反対方向に歩き出した俺たちはさっきとは別の意味で無言だった。

「…なんか、ごめん」

唐突に弥生が謝った。
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