夕焼けの恋
「光樹くん、いつもありがとう、じゃあ…」

そういう途中で、弥生が崩れ落ちた。

地面にぶつかる前にぎりぎりで弥生を抱きとめる。

「弥生さん…?」

葉月や祐樹が不安そうな顔をしてこっちの様子を伺っている。

「とりあえず、家にはいろっか」

葉月に玄関のカギを開けてもらって中に入る。

「ごめん弥生さん、おじゃまします」

ベッドに寝かせた弥生はようやく穏やかな寝息を立て始めた。

「お姉ちゃん、だいじょうぶ?」

床に座った葉月が心配そうに尋ねる。

その横には葉月を守るように祐樹が並んでいた。

「大丈夫だよ、きっと疲れちゃったんだと思う」
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