君に届け
『パンッ』


やっぱり好きだ。あぁかっこいい。もう全部がかっこいい。
なんであんなにかっこいいんだろう。私だって真剣に弓道しているけど、あんなに綺麗には引けない。
神様は不公平だ。






ぼーっと先輩を眺めつつそんなことを考えていると

「、、全部出てる」






と苦笑まぎれに一言。  
いや、いっけめん。  ってそうじゃなくて、

「えっ!」
「お前、ほんと俺の射好きな。
 かっこいいって言いすぎだろ笑」


ケラケラと笑いながら次の矢をつがえる先輩は本当に彫刻のように見えた。


「だって、好きなんですもん!
 先輩は自分の魅力をもっと理解したほうがいいですよ!」

「、、もっと綺麗な人もいるだろ笑
 まぁ、でもありがとな」
  



私の方はチラリとも見てくれなかったが、機嫌の良さそうな先輩を見て、先輩の笑顔も見れて、ものすごく満ち足りた気持ちになった。


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