となりの君へ
「蒼太くんも!」

(今日は一緒に帰れないかなぁ…)

そんなことを思いながら私は見守っていた。

「あ、別にい…」

「帰るよ、未紘」

きっといいよって答えようとした類を遮って蒼太が私に声をかけた。

その声はいつもより少し冷たい気がした。

「あ、俺も!ごめん、じゃあね」

焦ったように類が行ってこっちに走ってくる。

類ごしにこっちを睨む結奈と目が合った。
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