となりの君へ
それでもやはり私たちの家が並ぶ通りを1人で歩くのは寂しかった。

私が家の鍵を取り出した時。

「未紘!」

「類?」

背後から叫んだのは類だった。

「他の人は?」

「撒いた」

「撒いたって」

それは大丈夫なんだろうか。

「それよか、ちょっとついてきて!」

そう言って類は私の腕を掴んだ。

そのまま走るから私は抗うすべもなくついていった。

ようやく止まったのは近所で最近話題のクレープ屋。
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