となりの君へ
それからすぐに類は目を逸らした。



「蒼太のことが気になってるなんて」

先生に頼まれて器材を取りに来た空き教室で俺は未紘の声を聞いた。

未紘が蒼太のことを好きなんて。

信じたくはなかったけど、同時に何故だか納得した。

俺の片思いは砕け散ったわけだけど。

「頑張ってみる」

気づいたら最後まで盗み聞きしてしまっていたみたいだ。

未紘たちが出てきそうな雰囲気だったことに焦って、今来た感じを演出する。
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