目が覚めたら憧れの峰崎くんと結婚することになっていました
「今日は大変な一日だったし、早めに寝ようか。明日、結婚式について説明させてくれる?」
そうだ、結婚式!
急にワクワクしてくる。
「私、ウェディングドレス着るの? それとも白無垢?」
「ははっ、もちろんウェディングドレスだよ」
そこ、『もちろん』なんだ。
私の希望は7年経っても変わっていなかったらしい。
お皿もお鍋も峰崎くんが洗ってくれている間に、ドレスを試着したときに撮ったという写真を見せてもらった。
「きゃー、きゃー、ステキなウェディングドレス!」
気にしている二の腕を隠してくれるロールカラー。
そして、腰から下の左サイドには縦フリル。
まさに私の理想のドレスだった。
そして写真でじっくり見ると、私の顔は7年分、大人っぽくなっていた。
メイクもしているからなんだろうけど、あらら? けっこう美人じゃない?
しあわせいっぱい夢いっぱいみたいな笑顔……
このとき、どんな気持ちだったんだろう?
胸に手を当ててみても、残念なことにそこは空っぽだった。