目が覚めたら憧れの峰崎くんと結婚することになっていました
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目を開けると、私は白いパイプベッドの上に横たわっていた。
布団も枕も全て真っ白。
ここ……どこ?
頭と背中と、恥ずかしながら臀部がズキズキと痛む。
体は動かさず、眼球だけを動かした。
と、私の視界が遮られた。
顔を覗き込まれたのだ。
「目、覚めた?」
陰になっていても、それが誰なのかはっきりとわかる。
う、嘘でしょ……
全く訳のわからない状況だというのに、私の心臓は高鳴る。
峰崎くん!?
どうして峰崎くんが私に話しかけてくれているんだろう……
「お母さん、ユカコが目を覚ましました!」
憧れの峰崎くんから『ユカコ』と言われ、きゃーっと叫びたくなる。
峰崎くん、私のことを知っているの?
私だけが一方的に峰崎くんのことを知っているんだと思っていた。
同じクラスになったことだってないし。