目が覚めたら憧れの峰崎くんと結婚することになっていました

「焦んなくていいよ。遅くとも7年後にはそうなってるわけだし」


そう……なのかな?


はっきり言って自信がない。


違う私になっていそう。


「ってか、根っこの部分は変わってないよ?」

「ホントに!?」

「昨日ウェディングドレスの写真を見てたときの顔は、試着して最初に鏡を見たときと全く同じ顔だった」


峰崎くんはくすっと笑った。


「それと、今朝お握りを頬張ってたときの顔、あれもよく知ってる。寝坊して俺が作った朝食を食べるとき、いっつもあの表情するんだ。申し訳なさそうな、でも嬉しそうな」


峰崎くんは指先で私の頬をなでた。


「……ハグだけ。ハグだけしていい?」


昨日だったら、たぶん私は顔を真っ赤にして、逃げてしまったと思う。


でも、今日は私も峰崎くんに抱きしめてもらいたい気がした。


「か、軽くね?」

「わかってる」


峰崎くんは、優しい力で私を包んでくれた。


そしてこの日の夜は、峰崎くんにすっぽり覆われたまま眠りについた。

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