目が覚めたら憧れの峰崎くんと結婚することになっていました

※※※


アラームが鳴り、私と峰崎くんは同時に目を覚ました。


今日は一緒に朝食を準備することにした。


峰崎くんがピザトーストを作ってくれている間に、私はというとインスタントコーヒーとヨーグルトを用意しただけだけれど。


「なんだか、今日結婚式って思えないぐらい普通な朝だね」

「そう? 俺は今から緊張してるよ」

「ホントにー? 全然見えないよ」

「めちゃくちゃしてる。いよいよだな、って」


そう言いながら、峰崎くんは私を愛おしそうに見つめて、微笑んだ。


きゃー、朝っぱらから甘すぎーっ!


正直なところ、一昨日の夜に自分が峰崎くんと結婚することを知ったばかりで、現実味は1ミリだってない。


けれど、峰崎くんは違うんだ。


ずっと今日という日を待ち望んでくれていたんだ。


かー! 何てしあわせ者なんだ、未来の私。


それなのに、よりにもよって峰崎くんとの共通の思い出がある期間を丸々忘れてしまうなんて……


「緊張してても食べておかないとな」


そう言って、峰崎くんはトーストをかじった。

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