目が覚めたら憧れの峰崎くんと結婚することになっていました
峰崎くんの顔が視界から消えて、今度はお母さんが入ってきた。
「あら、よかったわー。ユカコ、あなた状況はわかってる?」
「ええっと……道で転んで頭を打ったのは覚えてる」
「そう、それで失神しちゃって、救急車で病院に運ばれたのよ。病院から電話がかかってきたときにはびっくりしちゃったわ。それで動転してミライくんにも連絡しちゃったのよ」
なぜそこで峰崎くんに連絡を?
その前に、お母さんが峰崎くんのことを『ミライくん』と親しげに呼ぶのも、そもそも峰崎くんの連絡先を知っているのも、なぜ? なぜ!?
もしかして、これは夢?
このトンチンカンな状況はそうかも。
でもそれにしてはおしりが痛い。
考えたいのに、頭がぼんやりして働いてくれない。
「お母さん、私、どのくらい寝てた?」
「そうねえ……1時間くらいじゃない?」