目が覚めたら憧れの峰崎くんと結婚することになっていました
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当然、到着したときには、役所は閉庁していた。
「記念写真撮ろうよ」
峰崎くんが婚姻届とスマホを取り出した。
「うん、撮ろう!」
たったこれだけのことなのに、嬉しさがこみ上げてくる。
「すっぴんのユカコと写真なんて初めてかもなー」
「えっ、すっぴんで出かけるのってマズかった?」
「ううん。俺はユカコのすっぴん顔、好きだよ。いつもそう言ってるんだけどね」
そっか。大人になると、すっぴんで出かけないのか。
峰崎くんがさっきひげを剃る手を滑らせたのは、やっぱり私のせいだったんじゃない?
私たちは閉まっている役所をバックに、顔を寄せ合って婚姻届を広げ自撮りした。
婚姻届の提出は感慨も何もなかった。
宿直員さんが、私たちの提示した運転免許証(私、普通自動車免許を取得していた!)で本人確認を行い、『はーい、それでは婚姻届をお預かりしますねー』と受け取ってお終い。
「これで終わりなんて、あっさりしすぎてて特別感がないね」
「それは今日これから目いっぱいあるよ。次は式場に向かおう!」