目が覚めたら憧れの峰崎くんと結婚することになっていました

※※※


挙式の3時間も前に現地入りしたっていうのに、それはそれは慌ただしかった。


ヘアメイクの担当をしてくれた女の人は、テキパキと手を動かしていた。


ホットカーラーを巻いて熱を加えている間にメイクをして、メイクが済んだらヘアセットをして……


それと同時進行で、私と峰崎くんは係りの人と打ち合わせをした。


それが終わると着替えて、私は綺麗な花嫁さんに化けた。


峰崎くんは……きゃー、カッコよすぎて、もう1度恋に落ちる!


光沢のあるライトグレーのモーニングコートをビシッと着こなしていた。


しかし、うっとり眺めていたところを遮られてしまった。


ううう、もうちょっと堪能させてほしかった……。


「今からチャペルに移動して、リハーサルを行います」


わっ、それは大事! すっごく大事!


峰崎くんが私のほうに体を傾けて、こそっと聞いてきた。


「誓いのキス、どうするか決めた?」


あっ!!


「その顔は考えてなかったんだね?」


わっ、わっ、わっ! どうしよう……

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