星空の下で愛を♦年下看護師の彼は彼女に一途な愛情を注ぐ♦

ヤキモチ

10月に入り、より一層秋の深まりを感じるようになった。

大空は自宅療養期間を終え、無事に職場復帰を果たした。
補聴器を付けながらの勤務で大変なこともあるみたいだけれど、日勤も夜勤も一生懸命頑張っているみたい。

地域連携室ではソーシャルワーカーの奈部さんの妊娠が発覚し、つわりが酷くしばらくお休みすることが決まった。
新しく22歳の男性新人ソーシャルワーカーが代わりに配属され、環境が少しづ変化している。


「お疲れ様っしたぁ」

「お疲れ様。 気を付けて帰ってね」

「はぁーい。 また明日」


新人ソーシャルワーカーの若松くんは大学を卒業して間もないためなのか、なんとなくまだ大学生感が抜けきっていない。
さっきも地域連携室を出るなり、すぐにスマホを触っている姿が見えた。

仕事中も雑談多めだし、患者さんへの接し方も少し雑なところがあって、見ているこちらがヒヤヒヤしてしまうくらい。

でも、まだ仕事が始まって間もないし、ガミガミ言ってやる気をなくされても困る。
言いたいことはたくさんあるけれど、グッと堪えているのが現状だ。


「あっ、いけない。 私も帰らないと」


時計に目をやると、もうすぐ18時。
今日は、仕事終わりに買い物に寄って食料を調達しないといけない。
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