星空の下で愛を♦年下看護師の彼は彼女に一途な愛情を注ぐ♦
記憶を辿って考えてみると、浮上したのは新人ソーシャルワーカーの若松くん。
もしかして、一部始終を見られてた?


「あ、奈部さんの代わりに入った新人ソーシャルワーカーの若松くんだよ? どうかしたの?」

「いや、新人ソーシャルワーカーって、男だったんだ?」

「うん、そうみたい。 確か、大空と同い年だよ」

「……ふぅん。 さっき、なにか言われてた?」


ドキンっと、心臓が跳ね上がる。
さっきの帰り道で起きた、若松くんとのこと……あんまり思い出したくないんだけれど、見られてた?

私が帰宅してから大空が帰宅するまで少し時間が空いていたような気もしたけれど、近くにいたんだろうな。


「なんか……あんまり常識ない人なのかも」

「え? どうして?」

「だって……そんな入社して間もない人が、先輩を急にご飯に誘ったりしないでしょ?」

「は? ご飯に誘われたの?」


驚いた大空は、目を見開いて私を見つめている。

……しまった。 言うんじゃなかった。
でも、隠しておくのもなにか違う気がするし、なにか問題が起きてからでは取り返しのつかないことになりかねない。

それだったら最初から要注意人物だということを理解してもらっていた方が、防衛にもなる。
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