星空の下で愛を♦年下看護師の彼は彼女に一途な愛情を注ぐ♦
「まぁ行かないよ? 私には大空しか考えられないし」


そう言ったのと同じくらいのタイミングで、大空が私のことを強く抱きしめた。 急なことで、右手に持っていたコーヒーカップから少しだけコーヒーがこぼれている。

「大空?」と聞いたけれどそちらは左耳で、聞こえていなかったかも……と反省。


「星七、そいつに誘われても、ついて行っちゃダメだよ?」

「え!? だから行かないって。 大丈夫」

「……約束してくれる?」


大空がこんな風になっているなんて珍しい。

瞳を潤ませながら私のことを見つめている今の大空は……なんというか、飼い主に甘えてくる犬みたい。
多分だけれど、この様子だと彼は妬いてる。

「約束」とにっこり笑って言うと、大空は嬉しそうに笑顔で返してくれた。

約束もなにも、私は本当に大空しか考えられない。
だって、辛い過去から抜け出せたのも大空のおかげだから。

それはこの先もずっと、変わることはないの。


「大空、大好き」


私がそう言ったのと同時に、唇が重なった。 
そしてそのまま2回戦が始まってしまい、今日は心も身体もたくさん大空に満たされた。


* * *

その翌日。
お昼休み前に若松くんを図書館に呼び出して、昨日のことを話しておこうと決めた。

もちろん大空に心配をかけないためだし、自分のためでもある。
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