星空の下で愛を♦年下看護師の彼は彼女に一途な愛情を注ぐ♦

その場から離れようと抵抗してみたものの、当然男の人の力には勝てるわけがない。

こんなところに呼びだしたのが間違っていた。
話せばわかってくれるかもしれない……という考えは、どうやら彼には通用しなさそうだ。


「……やめて、お願い」


凍り付いたように声が出せずにいて、やっとの思い出絞り出した声は、悲しくなるくらい今にも消えてしまいそうな声量だった。
それなのに、彼はお構いなしに私にグッと顔を近づけてくる。

やばい……キスされる！？
と思ったときーー。


「こらこら、こんな昼間からこんなところでなにしてんの？」


突然頭上から降ってきた声に、若松くんも驚いて動きを止める。
声のする方を見てみると、そこに立っていたのはまさかの梅沢先生だった。

さすがにまずいと思ったのか、掴んでいた私の手を離す若松くん。　掴まれていたところが赤く染まり、じんわりと痛い。


「彼女、嫌がってるだろ？」


若松くんの腕をグッと掴み、鋭い目で彼を睨みつける梅沢先生。
私が梅沢先生と関係を持っていたときもこんな目つきは見たことなくて、なにも言われていない私ですらサーっと血の気が引いていく。

若松くんなんて、見るからに青ざめている。


「こんなところで女口説いていないで、ちょっとでも仕事覚えたら？」