星空の下で愛を♦年下看護師の彼は彼女に一途な愛情を注ぐ♦

こんなドラマにしか出てこないようなクズ男が現実にも存在するのかと驚かされたけれど、やっと縁が切れたようでとりあえず一安心だ。


「いい人がいたら紹介してって、遠山くんに言っておいて」

「え？　うん……一応聞いてみる」


「冗談よ。　またね」とおどけた様子でそう言いながら友希は、慌てた様子で片づけをして休憩室を出て行ってしまった。
相変わらず、忙しそう。

1人になって午後からのことを思い出した私は残りのお弁当を食べると、地域連携室へと戻った。


＊　＊　＊

「若松くん、そろそろ行こうか」


お昼ご飯を食べたあと、慌てて資料をまとめて介護認定調査の準備を整える。
「はーい。　じゃあ行きますか」と少しだけ眠そうに返事をした若松くんと、3階に入院している患者さんのところへと向かった。

担当の看護師にも一緒に付き添ってもらうため、患者さんのところへ行く前にナースステーションに寄った。
大空も一生懸命仕事をしていて、目が合うと笑顔を返してくれる。

そんな大空を見てきゅんとしながら、私と若松くんは担当看護師と一緒に患者さんのいる病室へと向かった。
病室の前では、市役所の方が私たちを待っていてくれている。


「山屋(やまや)さーん、入りますよ」


コンコンと担当看護師がノックをしてから、病室のドアを開けて中へと入った。