星空の下で愛を♦年下看護師の彼は彼女に一途な愛情を注ぐ♦

「……これを着て、お母さんに会いに行こう」

「え……今から？」

「そうだよ。　お母さんの夢、叶えてあげようよ」


友希にそう言われ、母と再会した日のことを思い出した。

母が「星七のウエディングドレス姿が見たかった」と、独り言のように言っていたことを。

でも、それが叶うことはないと母はわかっているようで、私もそれ以上はなにも言わなかった。
それなのに……母の夢が、今叶えられようとしている。

大空がどうしてキャリーケースをごろごろ転がしながらここへ来たのかが、今ようやくわかった。


「友希……ありがとう」

「いいのよ。　私たちは、全力でお手伝いさせていただきます」


ぎゅっと私の手を握って、笑顔でそう言った友希。　もう……こんなにすてきな人たちに恵まれて、私は本当に幸せ者だ。

「ほら、時間ないよ」と友希に急かされ、じんわりと溢れた涙を拭ってウエディングドレスに着替えた。　髪は簡易的だけれど友希が今日のために練習してくれていたようで、すべて友希にお任せ。

少しだけメイクも直して家族団らん室を出た先には、白いタキシードに着替えた大空が私のことを待っていてくれた。


「星七、きれいだ」

「大空、お母さんのためにこんなことまで……本当にありがとう」

「全然。　一緒に、お母さんの夢を叶えよう」