星空の下で愛を♦年下看護師の彼は彼女に一途な愛情を注ぐ♦
「もぉ!!私も参加させてよぉ!」とボロボロと涙を流しながら病室に入って来た友希にギョッっとしながらも、母のことを囲んで4人で記念撮影。

この日見た母の笑顔は、今まで見た中で最高の笑顔だった。
「一生の宝物よ」と言いながら母は本当に嬉しそうで、計画してくれた友希と大空には感謝しかない。

私も、最後に母との思い出をこんな風に残すことができて、よかった。


ーーそれから1週間後。
雪がちらつく、寒い冬の朝。

昨晩眠ってから、母は目を覚ますことはなかった。


私や大空、それに友希に見守られながら眠っている母の表情は、本当にきれいだった。

「頑張ったね」と声を掛けながら、冷たくなった母の手を握る。
もう会うことはできないけれど、この1ヶ月間、母と過ごした時間は本当に幸せで、私にとっても一生の宝物となった。


「あ母さん、私、絶対大空と幸せになるからね」


と、母の前で誓う。

母から受け継いだこの命を、私は大空と一緒に繋いでいく。
これからもずっとーー。


* * *

母とのお別れをしてから、2週間が経った。

街はすっかりクリスマス仕様で、あちこちでクリスマスソングが聞こえてくる。


「そういえば大空、この前のドレス、あれどうしたの?」
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