星空の下で愛を♦年下看護師の彼は彼女に一途な愛情を注ぐ♦

「大空くん。　星七のこと、よろしくね。　本当は、あの子のウエディングドレス姿を見るのが夢だったんだけど……叶えられそうにないわ」


窓の外を眺めながら、そして、一筋の涙を流しながら、お母さんはそう言った。

そんなお母さんを見て、胸の奥がぎゅっと締め付けられそうな感覚になる。
なにか……少しでもできることはないだろうか。

残された限りあるこの時間で、なにはひとつでも叶えられることがあれば……。


「……わかりました。　俺が、お母さんの夢を叶えます」


しばらくの沈黙の後、俺は思いついたようにそう言った。

そうだ、思い出した。
俺の高校の友達に、ウエディング関係に進んだ友人がいたことを。

プランナーになりたいとかなんとか言っていて、プランナーが目指せる専門学校へ進んだ奴がいた。
そいつに頼めば、間違いなくなんとかなる。


「夢を？　ふふっ……楽しみしているわ」

「はい。　俺が、絶対なんとかしてみせます」


そうお母さんに宣言して、俺は病室を出る。

そうと決まれば、少しでも早い方がいい。
夜勤の合間にその友人にメッセージをしておいた。

事情もすべてメッセージに記入し、ウエディングドレスとタキシードを手配して欲しいことを伝えると、友人は快くOKしてくれたのだ。