星空の下で愛を♦年下看護師の彼は彼女に一途な愛情を注ぐ♦
新しいワンピースも髪型もすべてが台無し。

こんな私の気持ちも知らないで今頃梅沢先生はほかの女性とデートを楽しんでいるのだと思うと、胸が張り裂けそうだった。


* * *

「うわぁ……ひどい顔」


翌朝。 洗面台に鏡に映っている自分の顔を見て、げんなり……。

久しぶりに涙が枯れるほど泣いてスッキリしたけれど、想像以上に腫れている目を見て、とても仕事に行けるような顔ではないことを知った。

今日が日曜日であればわざわざ休みの連絡をする必要もなかったのに、今日はあいにくの月曜日。
週の初まりだというのに私は出勤できず、奈部さんに『休暇を取ります』という連絡を入れた。

当然外出する気にもなれず、部屋着のまま食パンをトーストする。
コーヒーと一緒に食パンを食べながら、私は昨日のことを思い出していた。


昨日のことが、すべて夢であって欲しい。

明日出勤したら梅沢先生もフリーになっていて、ほかの女性もいない。


なんて……そんな都合のいいようなこと、あるわけないか。

私には、あの不倫ドラマのような展開は迎えられなかったようだ。

そんな自分がなんだか情けなくなって天を仰いでいると、ベッドの上に放置してあったスマホが震えた。
画面を確認すると〝友希〟と表示されている。
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