星空の下で愛を♦年下看護師の彼は彼女に一途な愛情を注ぐ♦
練習した歩き方で大空に近付いて行くと、優しい笑顔で私のことを見つめてくれる大空。


「星七、最高にきれいだ。 俺の奥さんになってくれて、本当にありがとう」


そう言った大空は、ぎゅっと抱きしめる。
大きな腕に包まれて、そんなことを言われてしまっては……もう、結婚式が始まるまでに泣いてしまう。

とういうより、私の後ろにいる友希はもう泣いてる。


「大空、これからも2人でいろいろなこと乗り越えて行こうね」

「もちろん。 星七と一緒なら、どんなことでも乗り越えていける」

「……ありがとう。 私のこと、好きになってくれて」


私は、大空の耳元でそう言った。 今回は、左耳側でもちゃんと聞こえているから、安心。

大空の左耳の聴力も、この2年間でだいぶ回復傾向にあった。
主治医には「やっぱり若いからかね?」と言われたけれど、大空いわく〝愛の力〟だって。

なに言っているかよくわからないけれど、大空がそう言うならそれでいい。
私は大空がどんな風になっても、気持ちは変わらないから。


「林さんも、今日まで本当にありがとうございました」


私たちの背後でもうすでに号泣している友希に向かって、大空がそう言う。

なんで私たちより先にこんなに号泣しているのかは謎だけれど……友希には、本当にお世話になったもんね。
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