星空の下で愛を♦年下看護師の彼は彼女に一途な愛情を注ぐ♦

私のやっていることが例え不倫でも、未来は誰にも約束されていないのだから。


「新人看護師がなに言ってるのよ！」


ぶっきらぼうにそう言ってテーブルに積み上げてある書類を持つと、急いでその場から離れた。
背後から「待って！！」と呼び止められた気がしたけれど、素直に待つわけもない。

走って地域連携室に戻ると残りの仕事をさっさと片付けて、今日は早めに退勤した。


＊　＊　＊

「星七、どうした？　食事、おいしくないか？」


その声に反応し、ハッと顔を上げる。
視界に入ったのは、心配そうに私の顔を見つめる梅沢先生。

しまった……今は食事中だった。　退勤前にあんなことがあったせいで、思うように食事が喉を通って行かない。


「星七の希望でイタリアンを予約したのに。　もしかして体調悪かった？」

「いえ！　そんなんじゃないです！！　ちょっと、仕事のことで……」


咄嗟に思い付いた嘘でその話を上手く乗り切り、改めて食事に集中する。
けれど、どうもあの遠山くんの言葉が頭をぐるぐると回っていて、正直イタリアンどころではない。

私の希望でイタリアンを予約してくれ、梅沢先生との外食を楽しみにしていたけれど、今はそれがすべて色褪せて見えてしまう。