星空の下で愛を♦年下看護師の彼は彼女に一途な愛情を注ぐ♦
いったい、いつ見られていたのだろう。

いつも当直室に入るときは必ず周りを確認してから入るように心掛けていた。 だからこそ誰にも知られていないという自信はあったのに……。


「まったく、仕事のこととなると俺そっちのけだな」

「……す、すみません! ちょっと、今回はやっかいで」

「俺になにかできることあるなら言って? 上手くいくように持っていくから」

「ありがとうございます」


そう言ってくれた梅沢先生の言葉が、今はあまり嬉しくなと思ってしまう。

そんなことよりも奥さんとのことをちゃんとして、早く私を〝彼女〟として傍にいさせて欲しい。 そうすれば、一緒にいたってなにも言われないし〝不倫〟という耳が痛くなるような言葉も不要になる。

こんな状態で1年以上も一緒にいて、まだ話がつかないのもどうしたものか……。

でも、必要以上に他人の家庭事情には首を突っ込みたくないし、すべてが穏便に終わってくれればいいと思っている。


「星七、今日もこの後大丈夫だよな?」

「えっ……はい。 特に予定は、ないです。 けど……」

「けど?」


そこまで言って、言葉に詰まってしまった。
今日のお昼にあった出来事を、言うか。 言わないべきか。

見られていたことを知ったら、きっと梅沢先生は「それなら、会うのを控えようか」と言うに決まっている。
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