星空の下で愛を♦年下看護師の彼は彼女に一途な愛情を注ぐ♦
どうしようかと悩んでいると、彼女が俺に気が付いて「どうかした?」と声を掛けてくれた。

もう、ここまで来たら引き下がることはないだろう。
すべては、彼女のためだ。


「……いえ。 井筒さん、でしたっけ?」

「うん、ソーシャルワーカーの井筒です」

「あなたが、井筒さん……」


意味もなく彼女の名前を確認し、どのように話を振りだそうかと再び黙ってしまう。

今まで特に関わることがなかった看護師にいきなり話しかけられ、きっと不振に思っているに違いない。 彼女の表情が、そう語っているようだった。


「……なにか、用件でも?」

「今、ちょっと話せます?」

「あー……、少しくらいならいいけど、患者さんのこと?」

「いえ、ここではちょっと」


なかなか話し出せない俺のことを見兼ねてか、井筒さんの方から話を振ってくれる。 けれど、さすがにここで話すような内容ではないと思い、別の場所を提案した。

俺が行くように指示した場所は、すぐ近くにある家族団らん室。
普段使われることが少ない部屋であるため、我ながらいい場所だと思った。

真っ暗な部屋の電気を点けると、近くのテーブルにおもむろに書類を乗っける井筒さん。
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