星空の下で愛を♦年下看護師の彼は彼女に一途な愛情を注ぐ♦
昨日だって別に、私の過去を話すつもりなんてまったくなかったのに……話に上手く乗せられてしまった。

だけど、初めて遠山くんと話をしたときから彼はほかの男性とは違った感じがしていて、彼になら話しても大丈夫だと、直感でそう感じたのだ。



「え、星七、マジなの?」

「うん……今日、梅沢先生に言うつもり」


仕事の合間を見計らって友希を非常階段の付近に呼び出すと、私の決意を話した。

友希もきっと、私がこんなことを言い出すなんて思っていなかったと思う。でも、それと同時に梅沢先生との関係に未来がないことも、わかっていたのかもしれない。


「よく決断したね? 偉いよ」

「うん……もっと早くに終わらせとけばよかったんだけど」

「いや、無理はしなくていいよ。 星七の人生なんだから、星七のペースで」


そう言いながら、友希はポンっと私の肩を叩く。 友希の言葉に一瞬で涙腺が崩壊し、仕事中だというのにも関わらず大泣きしてしまった。

「よしよし」と小さい子どもを諭すかのように、私を抱きしめてくれる友希。
こんな風に支えてくれる友人がいて、本当にありがたい。

友希の優しさが、身体中に染み渡っていく感じがした。


「1人で大丈夫? 私、今日帰り遅くなると思うし、一緒に行こうか?」

「え、いいよ! そんなの申し訳ないし、友希がいたら何事かと思われちゃう」
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