星空の下で愛を♦年下看護師の彼は彼女に一途な愛情を注ぐ♦
「あ、そうか」と舌をチョロっと出しながら、おどけたように友希は言う。 その姿がなんだか可愛く見えた。

いくら友希が私と梅沢先生の関係を知っているとはいえ、友希が来たら間違いなく大騒ぎになるであろう。

それに、私が始めたことだ。
終わらせるのも、私が自分でやりたい。


「でも、なにかあったらすぐ呼んで?」

「もちろんだよ! ありがとう」


友希に感謝の気持ちを伝えて、私たちはお互いの仕事に戻った。

途中、トイレでメイクを直してから、私は地域連携室へと向かった。


* * *

今までに味わったことのない緊張感で、私の心臓はさっきからバクバクと音を立てている。

すべての仕事を終え、私は堀田先生の待つ当直室へと向かっているところ。


ーー今日、言うんだ。
梅沢先生に〝こんな関係は終わりにしたい〟と。


今まで、たくさんの我慢をしてきた。 でも、それも今日でおしまい。

久しぶりに、ちゃんと人と向き合ってみたいと思う人に出会った。 だけど、今のままの関係を持続したままその人と向き合うことは相手に対してあまりにも失礼すぎて、やっと決断することができた。

辛かったことだけじゃない。 楽しいこともあったけれど、最近はそれ以上に悲しい思いをすることが増えていた。
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