星空の下で愛を♦年下看護師の彼は彼女に一途な愛情を注ぐ♦
職業柄、なんとなく病名の予想はつく。 仕事に影響が出てきてしまった以上、このまま放っておくわけにはいかない。

トイレから戻ってなんとか1日の業務を終わらすと、俺は急いで近くの耳鼻科へと向かった。


* * *

「突発性難聴ですね」


ーーやっぱり、俺の予想通りだった。


時刻はまもなく18時を迎えようとしている。
さすがにこんな調子では残業はできず、糀谷さんにだけこそっと理由を説明して、早めに仕事を切り上げさせてもらった。

耳鼻科へ行くと問診を取られ、いくつかの検査をした。 検査結果が出るのを待ってから診察室へ呼ばれ、ドクターと向かい合わせに腰かけると、俺が予想していた病名を告げられた。


〝突発性難聴〟


突然耳が聞こえなくなり、生活に支障をきたす病気だ。 日々のストレスや不規則な生活など様々な原因が挙げられている。


「かなり高度な難聴だと思われるので、約2週間程度の入院加療が適切かと」

「入院……ですか」

「はい。 大学病院宛に紹介状を作成しますので、明日以降で受診してください」


有無を言わせず淡々と話を進められ、紹介状作成後に大学病院への予約を取られてしまった。
自分の勤めている大北総合病院宛ではなく、内心少し安心する。
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