星空の下で愛を♦年下看護師の彼は彼女に一途な愛情を注ぐ♦

「慌ただしくてごめん」

「ううん、大丈夫。　私も、お休みが明後日と明々後日(しあさって)しか取れなくて」

「それは仕方ないよ。　合わせてくれてありがとう」


走った甲斐があり、無事新幹線の時間には間に合った。
指定された席に座って、先ほどホームの自動販売機で買った缶コーヒーを飲みながら、一息ついているところだ。

大空が退院した今日は土曜日。
大空の実家が福井県だと聞いて、2日間の有休を取った。　土日含めて4日もあれば、ゆっくりできそうだ。

『有休取ってね』と奈部さんから言われていたところだし、ちょうどよかった。


「ねぇ大空、福井ってどんなところ？」

「なにもないよ。　田舎だもん」

「えぇ？　そんなことないでしょ」

「じゃあさ、お昼ご飯にソースかつ丼食べる？　有名なやつ」


……そういえば、ネットで見たかもしれない。
大空が過ごした福井県はどんなところなのかと気になって色々ネット検索をしたら、ソースかつ丼のことが書いてあった。

正直、ソースかつ丼なんてどこでも一緒じゃない？と思っていたけれど、大空いわく福井のソースかつ丼は一味違うらしい。

大きさ、味の濃厚さ、お米のもちもち感が絶妙なんだとか。


「うん、食べてみたい。　大空が絶賛するから、気になる」

「それじゃあ、お昼はソースかつ丼に決定」