星空の下で愛を♦年下看護師の彼は彼女に一途な愛情を注ぐ♦
その後は、本当に穏やかな時間だった。
私が想像していた以上に大空のご家族はあたたかくて、優しくて。 

大空が、どうしてこんなに優しい性格なのかが、よくわかった。

お母さんが、実は整形外科の元看護師だったということも教えてもらった。
当時患者として来ていたお父さんがお母さんに一目惚れして、猛アプローチの末交際に発展したのだとか。 出会いは本当人それぞれだ。

お母さんが夕食の支度をしておいてくれたので、まだお昼に食べたソースかつ丼が胃の中に残っていたけれど、少しだけいただいた。 大空は、普通に完食していたから驚いたけれど。

そして夕食が終わり、大空の部屋で一息ついていた頃。


「星七、そろそろ行ってみようか」

「あ……うん。 でも、外出しても平気なの?」

「今日は、それがメインで来たんでしょ? 見て帰らないと、後悔するよ」

「じゃあ……行く」


大空の部屋を出て、リビングでテレビを観ていたお母さんとお父さん、それに千秋さんに「少し外出してきます」と声を掛けた。

ーー今から大空と一緒に、約束していた星空を見に行く。
大空の実家から少し歩いた場所にベストスポットがあるようで、今日はそこへ案内してくれるらしい。

大空は玄関にあるクローゼットからレジャーシートとなにか小さな紙袋を取り出すと、「行こうか」と行って私の手を取った。
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