【短】俺の彼女泣かせたやつを八つ裂きにしようと思ってたら、なんと俺だった件。




「ゆ、ゆいた…くん」


「うん?どーしたのこのみちゃん」


「もう少しで終わるから、そっちで待っててくれて大丈夫だよ…?」


「いやです。あっ、もう1度ハッキリと言わせていただきます。嫌です」



後輩である黒田くんに敵対心を露(あらわ)にしすぎて、私が黒田くんと委員会当番の今週は、朝から放課後までこの形だった。



「あのー、これ、借りたいんすけど…」


「あー、はいはい。返却期限は守るようにお願いしますよー。破ったらそこの床抜けますんで」


「え、まじすか」



いや、まじじゃない。

床は抜けませんのでご安心ください


慣れた動作で貸し出しカードにスタンプを押す結多くんは、図書委員ではない。

でもここで何か言っちゃうと黒田くんへと向かう変化球になる気がして、私は口を閉じた。


────キーンコーンカーンコーン。


今日は金曜日、1週間の委員会活動の終わりも告げてくれる完全下校チャイムが響き渡った。



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