【短】俺の彼女泣かせたやつを八つ裂きにしようと思ってたら、なんと俺だった件。
「ぁ…っ」
一生消えない跡をつけるように、今度は強くなった。
たぶん、これは、怒っているんだ。
結多くんは怒ってる。
「許してほしい?」
「う、うん…っ」
「じゃあ、このみちゃんからキスして」
主導権は、私じゃない。
結多くんはいつも、そういうとき、必ず優しさを持ちつつも優位に立とうとする。
「んっ…」
きゅっと結んだ唇を、形の良い彼のものと合わせる。
予想のとおり、それだけで離れていいわけもなく、後頭部に腕が回りつつ角度を変えて重ねてくる。
「このみちゃんから舌、いれて」
「っ、ふ、…ゆい…ひゃく…っ」
「ほら、入れて」
微かに開かれた唇。
いつもはこうして激しくなると結多くんか
ら熱い舌が私のほうへと入ってくるのに、今日はそうじゃない。
ずっとずっと彼は待ち遠しくも待っていた。
「んん…っ!ぁ…っ」
そして私が勇気を出して従えば、追い付けないほど激しく口内を味わってくる。
「俺と一緒に風呂も入ろーね」
服のなかに侵入してくる手。
背中に回って、パチンとホックが外されると思いきや、そうはせずにまずはそのまま抱き寄せてきた。