【短】俺の彼女泣かせたやつを八つ裂きにしようと思ってたら、なんと俺だった件。
想像しただけで、息が詰まってしまいそう。
逃げようにも逃げられないフィールドは完璧に作られつつあった。
「わかる?このみが何度も何度も気ぃ飛びそうになったとしても、とっくに飛んだとしても───…逆に続けるってこと」
「っ…、」
「あとは動物みたいに後ろから容赦なく襲いてえ。いつも恥ずかしいって言ってさせてくれないけど、もうそんなの知らないです今日は」
この機会をできるかぎり活用するみたく、欲望全開、結多くん。
やめよう。
勝手に勘違いして突っ走るの、絶対だめ。
「ゆ、ゆいたくん…!」
「…ん?」
「い、いつも……気持ち…、いい、よ」
ああどうしよう。
こんなの、結多くんの願望に肯定してるようなものだ。
「だからもう…、あ、あにまるびでお……見ないで…っ」
「神に誓ってもいいよ。いや、ヴィーナスがここにいました誓います断じて見るわけねえ。
…でもごめんこのみちゃん。今の追い打ちでいつもの回数なんかじゃ余裕で足りないかも」
「っ、私のからだ…っ、もっと壊れちゃう…!」
どうやらその言葉が、結多くんの頼りない理性という名の糸をぷつりと切らしてしまったらしく。
どうして彼は私なんかを好きになってくれたんだろう?
なんて悩みは秒で吹き飛んでしまうほどの誕生日になった───とあるすれ違った日のこと。