【短】俺の彼女泣かせたやつを八つ裂きにしようと思ってたら、なんと俺だった件。
「おっつかれ後輩くん。もう帰っていいよ帰れよそして2度と来るな」
「……先輩、じゃあ俺はこれで」
「あっ、お疲れさま黒田くん。ごめんねいろいろと…」
「…いえ」
そんな会話すら、ふて腐れながら聞いている結多くん。
どうしてここまで彼が黒田くんを敵対視しているかというと、それはバレンタインの日にまで遡(さかのぼ)る。
なんと私は黒田くんから逆チョコなるものをもらってしまい、その光景を彼氏である結多くんに見られていて……。
な、事件があったのだ。
「結多くん、もう黒田くんは帰ったよ」
貸し出しカウンターからは移動して、窓際に立っている結多くんに声をかけてみる。
「…1週間、手伝ってくれてありがとう」
黒田くんという存在が私たちの前に登場してしまってからというもの、結多くんの初めての顔ばかり見る。
それが私は嬉しくもあって、今もどんな顔してるのかな…?なんて近づいてみる。
────が、ぐいっと引っ張られた腕。