【短】俺の彼女泣かせたやつを八つ裂きにしようと思ってたら、なんと俺だった件。
「きゃ…!」
気づけば結多くんの腕のなか。
「…このみちゃん、初めてこうしたときも図書室だったよね」
けれど、私が想像していた顔とは正反対のものを浮かべていたらしい。
これが本当の結多くん。
私しか知らない結多くんの顔。
「覚えてる?」
「お、覚えてる…よ」
「…やったね。俺も」
かっこいいな…。
いつも元気いっぱいな太陽みたいに笑う顔も好きだけど、今みたいに柔らかく微笑んで、ちょっとだけ意地悪な顔が。
高校1年生の秋頃にお付き合いを始めて、早いもので高校3年生になっていた。
それでも変わらない結多くんがいて、私もそこまでは変わっていないと思う。
「結多くん、あのね、来週の……17日、なんだけどね、」
「もっちろん俺は0時ピッタリに電話するって練習を毎夜のことしてる」
「…ふふっ、ありがとう」
「え、待って??待ちなさいよ、これ盛大なネタバレしてんじゃん俺」