【短】俺の彼女泣かせたやつを八つ裂きにしようと思ってたら、なんと俺だった件。
私の18歳の誕生日は、今年も大好きな男の子にいちばん最初に祝われるみたいだ。
去年も0時ぴったり、いや、少しだけフライングした早めの「誕生日おめでとう愛してるよ」がスマホ先で言われた思い出。
でも今年は…、今年はね。
「その日、三連休の最初の土曜日でしょ…?」
「うんうんうん」
1回で伝わる“うん”が、なぜか食いぎみな連打で返される。
これも結多くんの生体というか、特徴だ。
「その日は家族みんなで過ごして、俺とは18日にお祝いするってのもインプット済みだから安心してこのみちゃん」
「ええっとね、実は……その17日、お父さんが会社の社員旅行にお母さんと行くことになって、家族では今週末にお祝いすることになったの」
「え、危ないよそれは。このみちゃんひとりでお留守番?」
誕生日の日に家族で祝えないことに言及するんじゃなく、両親が旅行に行ってしまうことで私がひとりになる。
そこに対してまず反応してくれた彼が、私は大好きだ。