【短】俺の彼女泣かせたやつを八つ裂きにしようと思ってたら、なんと俺だった件。
「っ……、結多くん…ひどいよ」
どう考えても私のほうがひどい。
彼はスマホ先で何か言いたげだった。
なにがあったのかも知らされないまま、“もう会わない”なんて言われて。
挙げ句、さようなら、なんて。
そんな最低な言葉まで言ってしまった。
私らしくない一面を見せてしまったことが、もう2度と結多くんを前にできない後押しを余計にしてくる。
「はっ…、はあ…!遅くなってっ、ごめんこのみちゃん…!」
「………」
インターホンが無限に鳴らされた。
1回や2回だったらモニターを確認してスルーできていたけれど、できなかったのはできなかった理由があるから。
ピンポンピンポンピンポンピンポンと、それはそれは迷惑極まりないほど容赦なく連打されたのだ。
そうして恐る恐る玄関を開けてみると息を切らした結多くんが立っているものだから。