シンデレラは王子様と離婚することになりました。
 私が驚きながら言うと、大翔は額に汗の粒を吹き出しながら、不敵に笑った。

「捺美、助けにきたぞ」

 そう言って、大翔は私をぐいっと持ち上げた。引きずり上げるように崖の上に救出された私は、土や砂で汚れていた。

「怪我はないか?」

 大翔が心配そうに私の身体を点検する。

「どうして、大翔が……?」

 放心状態で大翔を見つめる。夢を見ているのだろうか。

「言っただろ、助けに来た」

「どうしてここにいるってわかったの?」

「だってここは、俺たちが初めて出会った場所だろ?」

 当たり前のことのように言う大翔に、驚きを隠せなかった。そして、ようやく思い出した。あの日、大翔は死に場所を探しにここにやってきた――

 
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