シンデレラは王子様と離婚することになりました。
 実家では全ての家事を私がやってきていたことを知っているからか、いかに私に何もさせず過ごさせるかが徹底している。

 たしかに大変だったけれど、料理は別に嫌いなわけじゃない。ただ、いつも高級店の料理を食べている大翔に振る舞えるほどの実力はない。

 でも、いつか作って食べてほしいなとも思っているのだ。

 お風呂から上がってリビングに行くと、ソファに座りながら書類と睨めっこしている大翔がいた。

 キッチンに行き、冷凍庫から棒アイスを取り出し、食べながら大翔の側に行った。

 隣に座り、書類を覗きこむと、英文だったので読む気が失せた。

「仕事?」

「うん……」

「大変だねぇ」

 大翔の肩に背中を寄せて、もたれかかりながらアイスを食べる。仕事の邪魔にならないように大人しくしているという考えは、残念ながら私にはない。
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