シンデレラは王子様と離婚することになりました。
急に大翔が動くから、私の頭はソファの上に落っこちた。

 真上から意地悪な瞳で私を見下ろす大翔。下から見ても完璧すぎるほどかっこいい。しかも不敵な笑みが似合う。

「キスしていい?」

 大翔にとってはキスがエネルギー補給ってこと?

「アイス溶ける」

「俺よりアイスの方が大事なのか」

 ちょっぴりいじけた顔も可愛い。

「アイスが溶けない間ならいいよ」

 大翔は微笑んで、軽いキスを落とした。

それで終わると思ったら、今度は啄むようなキス。リップ音を鳴らせながら、何度も何度も唇を重ねる。

目を閉じて、大翔のキスを受け入れていると、ポトっと鎖骨に溶けたアイスの水滴が降ってきた。

「溶けた……」

 私が言うと、大翔は私の鎖骨の上に落ちたアイスをペロリと舐めた。

「まだ溶けてない」

 そう言ってまたキスをする。

 アイスはもういいや。大翔のキスの方が甘いから。


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