シンデレラは王子様と離婚することになりました。
今日は遅くなってしまった。大翔、もう帰ってきてるよね。

 今朝、離婚を切り出してしまったら、顔を合わせるのが気まずい。

 深呼吸をしてから玄関を開けた。

「ただいま~」

 返事はないけれど、リビングに明かりはついている。

小さい声だったから、気づいていないのかもしれない。

 リビングのドアを開けた瞬間、呆気に取られて固まった。

 テーブルの上には豪華な食事が並んでいて、ホールのケーキまである。

 部屋もオシャレに飾りつけされていて、バルーンや花で装飾されている。

 これは一体……。

「おかえり、捺美!」

 満面の爽やか笑顔の大翔が私を出迎えてくれた。

「え……今日って、なにかの記念日だったっけ?」

「いや、なんの記念日でもない。そういう気分だった!」

 めっちゃご機嫌じゃん。なにがあった。
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