シンデレラは王子様と離婚することになりました。
「今の俺は最高に機嫌がいい! なんでもできる気がする! 最強になった気分だ!」

 社長室で高笑いをしていると、高城がいそいそと大量の書類を持ってきた。

「その勢いで天下をとりましょう。事業規模拡大のための参考資料です」

「これ全部に目を通すのか?」

「最強の社長にならできます」

 高城の目が光った。

「容赦ないな……」

「会社が大きくなれば、それだけ俺の給料も上がりますからね! 社長には馬車馬のように働いてもらいますよ!」

 高城は高笑いしながら言った。完全なる私利私欲で動く男。それが高城という男。

 若干呆れながらも、やる気の漲るうちに仕事に取りかかった。

 今なら空でも飛べそうな気がする。


 とんでもない集中力で、いつもの倍以上の仕事をこなした俺は、早々に家に帰ることにした。

 残業? なにそれ美味しいの? ぐらいな勢いだ。
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