シンデレラは王子様と離婚することになりました。
 社長なのだから、社員の倍は働いて当然と思っていたが、それは覚醒前の話だ。

 最強になった俺は、社員の倍働いても時間が余る。

跳ねるような足取りで家へと帰る。もちろん、愛する我が妻とイチャイチャするためだ。

 脳内では、会社から帰ってきた捺美を玄関に迎えに行って抱いている。

 でもさすがにそれは引かれそうだ。自分はこんなに性欲が強かっただろうか。

 叶うならば、一日中捺美を抱いていたい。

でも、捺美は初めてだったので、あまり身体に無理はさせたくない。

……って、朝から第二ラウンドに持ち込んで会社を遅刻させた奴が言うセリフではないなと、自分で突っ込みを入れる。

 捺美のために夕飯を作る。

 これまで自分のためにすら料理を作ったことがないのに、自分でも驚く変化だ。

 捺美と一緒に外食するのも好きだし、ウーバーイーツや買ってきたものを家で食べるのも好きだ。

でも、手料理もやってみるとなかなか楽しい。

 なにより、捺美の喜ぶ顔を見られるのが、一番のご褒美だ。
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