シンデレラは王子様と離婚することになりました。
「ただいま~」

 捺美の喜ぶ顔を想像しながら料理を作っていたら、もう本人が帰ってきた。玄関に迎えに行っちゃう俺。

「おかえり、早かったな」

「大翔こそ」

 そりゃ俺は、捺美に早く会いたかったからな。

超特急で終わらせてきたぜ。……と、心の中で思っていたら、捺美が恥ずかしそうに頬を染めながら呟くように言った。

「……大翔に会いたかったから、早く終わらせてきたの。遅刻したのに、おかしいよね」

「捺美っ!」

 ガバっと勢いよく抱きついた。悶絶級の可愛さ。とんでもない破壊力。

 もうこれは、このままの勢いで捺美を食べてしまっても、俺を咎めることは誰にもできないだろう。

だってこんなこと言われて理性保てと言われる方が無理な話だ。

「捺美、このままベッドに……」

「え、無理。お腹空いた」

 バッサー斬られた。見事なまでにはっきりと。

 まあ、確かに、捺美はそういう女だよ。ツンデレが半端ない。

でもその我が道を貫くところも好きだし、だからこそ、たまに見せるデレ感がたまらない。
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