シンデレラは王子様と離婚することになりました。
「夕飯作ってたんだ。もうすぐ出来上がるから着替えてこいよ」

「本当⁉ 嬉しい!」

 手を合わせて、太陽のような輝く笑顔を見せる捺美。

 あ~可愛い、最高。

 それから二人で仲良く夕食を食べ、一緒にお風呂に入ったりなんだりイチャイチャして、幸せな一日が終わった。

 そして、この世の春とも思えるような濃密で幸せな日々はずっと続くのだとなんの根拠もなくそう思っていた。

 一点の曇りもなく、悩みもなく、そんな幸せな日々は数日で幕をおろした。

 あまりに呆気なく、あまりにも短く、あまりにも突然だった。

 いや、予兆はあったのだ。

その時に全力で彼女を守っていたら、こんなことにはならなかった。

 捺美の様子が明らかにおかしかった日があった。
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