シンデレラは王子様と離婚することになりました。
 彼女の希望する職種に限ったことではないが、コミュニケーション能力も必要だし、愛想の良さも重要だ。

それに捺美の学歴は他の応募者よりも低かったので、採用に難色を示す面接官もいた。

 ただ、学歴で採用を選ぶ方針は俺の代で撤廃していたので、俺の一存で捺美を採用した。

 捺美が入社してからチラチラと様子を見に行ったりしていたが、肝心の本人が俺のことを忘れていたので話し掛けることができなかった。

 運命だと思っていたのは俺だけで、きっと運命じゃなかったんだと自分に言い聞かせていた。

 それが、急展開で結婚することになって今に至る。

 捺美との出会いは、運命か、運命じゃないかって?

 そんなの決まっている。

たとえ運命じゃなかったとしても、俺が運命にしてみせる。

 俺の人生は、俺の手で切り開く。

 捺美、お待たせ。助けにきたよ。

俺が、捺美を闇の世界から救い出す。
 
 
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